「『絶望の国の幸福な若者たち』ってほんとう?」

カテゴリー: 新宿商工新聞 PICK UP, 未分類 日時:

高齢者と若者を分断する 「若者論」再考  社会問題に関心のある区内の労働者たちが中心になりはじまった、グラスルーツ・ラボ。今後の運動の在り方を模索し、発展の方向性を掴むことを目的としています。その第一回企画を取材してきました。

古市憲寿さん著「不幸な国の幸福の若者たち」は、時代時代の社会学者や評論家によって都合よく繰り広げられてきた「若者論」を当事者である若者の目線から批判的に取り上げた話題の本。

元ロスジェネ編集長で作家の浅尾大輔さんが「しんぶん赤旗」で書評を依頼された際に「ほんとうにそうなんだろうか」と問いかけこらががきっかけとなり、今回のトークセッションが企画されました。

浅尾さんは今回のセッションの為に「4回読んだ」。そのおかげで、古市さんに特徴的な「断定の後に否定したりする」慎重な書き方の意図がセッションを通じて浮き彫りになった。

古市さんが「資料集・叩き台」というように、一章から三章までは社会学的に「近代若者論」を総括する資料集となっている。「都合のよい協力者」「お客様」として偉い人が捏造してきた「若者論」をあぶり出していく。一方的に叩かれ、利用されてきた若者からの逆襲の書である。 これは僕らが 問われている本です 浅尾さん弁「僕のような左翼。捻くれた左翼がどんな態度を取るかが問われている」。社会に関心ある人々が考えるきっかけづくりを企図して書かれているせいでしょう。

「不幸な若者」と嘆いてみせながら、その実は「高齢者と若者」を分断する。したり顔の知識人に、やんわりと喧嘩を売っている。「若者」の名を借りて分断する「若者論」。「あるべき社会設計を考えるのに害だ」と断じた。このセッションを通じて、仲間を大切にする傾向とその危うさ。労働組合の現状と今後について問題点の輪郭を描いた。また、問題の当事者性、いかに関心を持ってもらえるのかなどなど話題は多岐に。後半は浅尾さんの経験から現在の雇用・格差についての話題に。

会場からも活発に発言がありました。組織論のなかで「残って欲しい」組織の側と「残らなくてもいい」という視点の交錯が見られました。「残らなくてもいい」ことを前提にしつつ、どうやったら「残りたくなる魅力的な組織作り」ができかが大切と感じました。

また、様々な運動を取り上げた過程で、人格を擦り減らすと運動は長続きしない。組織化・継続の重要性が共有された。残りたくなる魅力的な組織づくりは「組織のマネジメントの問題」であることも共通の認識になりました。

第一回としては内容、参加者数ともに大成功といえるのではないか。社会運動の在り方を考えるきっかけづくり。次なる「草の根の試み」に期待します。(E)